これを読んだ。
本の内容そのものは、社会人経験3〜5年目くらいの人間には、思考の幅が広がる内容になっていると思うので、特に現状に不満がなくても、一度読んでみることをオススメする。
さて、筆者がこの本を読もうと思ったのは、転職をしようと考えたわけでも、転職に関して知識が欲しかったわけでもない。
この本を紹介していた他の方の内容に、長年疑問に思ってきたある悩みへの解答があると思ったからだ。
悩みとは、「やりたいことが見つからない」ということだ。
いわゆる、面接などでよく聞かれる
「あなたは、弊社でどのようなことを行いたいですか?」
の質問に対する、建前ではない本当の解答を、筆者は持ち合わせていない。
筆者が求めることは
・給料
・裁量のある権限
・必要最低限の待遇、職場環境
・スキルが活かせる仕事内容
これのコストパフォーマンスが優れていれば、職務内容は問わない。
「100万本売れるゲームを作る」だとか「新規事業を興して、一発当てる」なんてマインドもない。
誤解をしないで欲しいが、上記のような考えだからといって、仕事を適当にやるというわけではない。
仕事内容のビジョンや目的をきちんと理解し、成果が挙がるように働くのが仕事だと思っているので、そこを手を抜くつもりはない。
ただ、私の要望が叶えば、あなた方が思っているビジョンを叶えるために、お仕事させていただきます、が、私の考え方だ。
そして、この考えではマズいのだろうなと思っていたのだが、表題の本を読んで、ひとまず答えが出た。
丁寧に書くと長くなってしまうため、箇条書きにした後、考察をしてみる。
・本当に全てを捨ててでもやりたいことがあったら、あなたは今の状態にはなっていないだろう。そして「それは当たり前のことだ」という
・世の中には、「何かを達成すること」を重視する人間と、自分が楽しいと思える「状態」を重視する人間と別れるらしい
・そして、後者が99%を占め、その人間が、前者を求めようとするから、答えの出ない迷宮に彷徨うらしい。
・後者の99%も、「ある程度達成したいこと」なら見つかるから、状態を維持しつつ、それを目指せばいいという考え
・いい状態とは、自分の状態と環境の状態。これが釣り合っているかどうか
・自分の状態とは、自分の能力が職場でいい具合に生かせているのかどうか
・また、自分に正直な状態で居られるかどうか
・ある程度得意なことは、見つけるのではなく思い出すことらしい。なぜなら、全員が子供の頃から将来の夢などを答えられたはずで、それを見失ってしまっている状態だかららしい。なので、人から褒められることや、ストレスを感じないことなどが、ある程度得意なこととして認識できる可能性のあることらしい。
簡潔にまとめると、筆者は状態重視型なのだから、目標達成型の考えていても答えなど出るわけないということだった。
この考え方には救われた。
ドラッカーが言う、「人生の終盤になったときに、何によって憶えられたいかの問いに答えられるか」の問いは、何か大きなことを成すではなく、
自分にとっての良い状態を維持しながら、自分が得意な小さい何かを達成することで実現すればいいと思えるようになった。
本には、この考え方は逃げではないと書かれていたが、中には逃げだと指摘する人もいると思う。
しかし、筆者なりに10年考えてきて、「何か達成したい事」の結論がでなかった事を考えると、これは逃げと言われても考え方を変えてみてもバチは当たらないと思っている。
○この記事の要点
・この本は、転職するしない、職場の不満の有無にか関わらず、思考の幅を広げる意味でも、一度読んでみる事をオススメする。
・やりたい事がないという人への、考え方のアプローチが示されている