困った時の自分用メモ

読んだ本を考察してメモったり、自分でいじった物の感想をメモったりする場。週1更新を目指します。

体験談の話~高額療養費制度の落とし穴(主に入院費用関連)~

身内が末期ガンになり、介護も含めいろいろと手助けが必要になり、調べたり体験したりして得た教訓などを共有する。

今回は、高額療養費制度の落とし穴を共有する

簡単に言えば、「高額療養費制度」が適用されない「入院時にかかる諸経費」の話だ。

〇概要
では、「高額療養費制度」に関して、見落としがちな落とし穴について、少し補足していく。
冒頭にも書いたが、主に「入院時にかかる諸経費」の話になる。

まず、「高額療養費制度」の対象になる「医療費として定義される費用」についてだが、
大抵、これを適用する必要がある医療費という物は

1. 基本的入院費用(1日相場約5000円)
2. 突発的に発生した、手術の費用(物にもよるだろうけど、100万くらいを想定)

この2つになるだろう。

これらは、短期で回復する見込みがあるのであれば、1か月に8万、2か月かかったとしても16万で済むと思えば、比較的「高額療養費制度」の恩恵を大いに活用できていると言っても良い。

では、何が問題なのかというと、主に「入院」の部分だ。

入院に掛かる費用は、「基本的入院費用」だけでは無い。

まず、入院中にかかる「食費」は、医療費に計上されない。
これが、相場で1日約400円なので、一か月で12000円上乗せされる計算だ。

さらに、入院中の備品(おむつ、パジャマ、タオル等)も病院の物を使うのであれば、
それらは、それぞれに費用が掛かる(割と、治外法権価格)

しかし、こんな物よりももっと気を付けなければならないのが、
差額ベッド代」である。
これは、「1日に掛かる部屋代」の事で、入院費用とは別で加算される。
相場は、無料の部屋も存在するが大抵埋まっているため利用は期待できず、有料の部屋となると最低で「約5000円」最大で「約10万円」である。

もう一度だけ言う、

「1日に掛かる部屋代」「1日」である。

つまり、「高額療養費制度」とは関係無い部分でも、高額な費用が発生する可能性があり、それは「高額療養費制度」では対処できないという事を考えておく必要がある。

これが意味するところは、「高額療養費制度」とは、
どちらかというと、「短期治療・入院・一回の手術」など、短期で済む突発的な大きな治療の出費の為の制度に有効活用できる物であり、
長期的かつ継続的に支払いが必要になりがちな「ガン」「生活習慣病」「難病治療」などに対しては、
あまり有効活用できる制度とはいい難いということだ。

なので、慢性的に症状が続く物を治す際は、「高額療養費制度」は利用はできるが、
支払うお金に対しては、根本的な解決策にはなっていないという事を理解しておいた方がよい。

では、どのように対策するのかと言われると、筆者にもわからない。
わからないというよりは、対策するとしたら「金の準備」以外に無い。
なので、「人生設計」の領分になる。

好きなことをしていれば、お金など要らないという人間がいるが、
それはつまり、「あなたが苦しんでいるときに、入院もさせてあげることができず、その苦しんでいる姿を近しい人に見せて我慢させる事を強要させる」という選択を、あなたを看護する人間に与えているのと同義であることは、頭にとどめておいてもらいたいと思う。

実際、私の妻もそれで悩んだし、私の妻や私が同じ状況になった時、どのようにするだろうかと考えると、やはり「人生設計」において、そのような費用が発生するという事も「縛りプレイ」のルールの一つとして、追加する必要があるのかなと思う。

それ以外で、という話であれば、健康でいられるように努力するのが、一番の対策であることは間違いないだろうが、
では、金の準備もままならない状況で、実際に医療に頼らざるを得なくなってしまった時、その時にこの事を考える余裕は無いと思うので、
今からできることは、これらの現実を踏まえて、自分ならどうしたいかを考えておくことだとは思う。

〇まとめ
・入院に掛かる費用は、「基本的入院費用」だけでは無く、それ以外にかかる費用は「高額療養費制度」対象外という事
・その中でも、「差額ベット代」の対策は、他の事がどうでもよくなるくらいに、最優先で考える必要があるほど、高額になる可能性があるという事
・根本的な対策は「金の準備」以外にないように思われる